can't help -ingの意味と使い方
どうしてもそうしてしまう、こらえられない、という形。ここでのhelpは助けるではなく避けるという意味で、そのためうしろには必ず -ingが来る。自分の意志ではどうにもならないことを言うときに使う。
どういう表現か
helpを「助ける」と読むと、この形はどうやっても意味が通らない。ここでのhelpは避ける・こらえるの意味で、古い用法がこの言い回しの中にだけ残っている。
I can't help laughing.… 笑うのを避けられない → 笑ってしまう
つまりcan't helpは「できない」ではなく、止められないを言っている。主語にその気があるかどうかは関係なく、意志ではどうにもならないことだけが伝わる。
うしろが -ingになるのは、helpが避けるの意味だから
helpのこの用法は動名詞を取るので、続くのは-ingである。
I can't help thinking about it.I can't help to think about it.… この形にはならない
toを続けると、「考えるのを手伝えない」という本来のhelpの意味に読まれてしまう。-ingかどうかが、二つのhelpを分ける目印になっている。
can’t help butとの違い
同じ意味を、原形の動詞で言う形もある。
| 形 | 続くもの |
|---|---|
| can’t help + -ing | 動名詞。can't help wondering |
| can’t help but + 原形 | 原形。can't help but wonder |
意味の差はほとんど無い。butのほうがやや改まって響くが、どちらを使っても言っていることは同じである。can't help but wonderingのように混ぜた形も見かけるが、規範としてはどちらかに寄せる。
itが来る形は決まり文句
can't help itだけは、うしろに動詞が来ない。このitは「今の状況」を指していて、それ以上分解しない。
Sorry, I can't help it.(ごめん、どうしようもないんだ)
謝りながら言い訳するときの定型で、自分のせいではないと言っているぶん、場合によっては開き直って聞こえる。
使いにくい形がある
肯定形にはほとんどしない。I can help laughing.とは言わず、こらえられるならI can stop myself from laughing.のように別の言い方をする。この表現はcan'tと組んだ状態でひとかたまりだと考えてよい。
過去のことはcouldn't helpになる。can'tのまま過去の話をすると、今もそうであるように読める。
訳すときに気をつけること
「助けられない」と訳すと意味が丸ごと変わるので、そこだけは外さない。日本語では次のような形が近い。
- 「〜せずにいられない」
- 「つい〜してしまう」
- 「〜するのをこらえられない」
「つい」を使うと軽く、「〜せずにいられない」を使うと重くなる。歌詞では抗えなさが主題であることが多いので、軽く訳しすぎると、言いたかった苦しさが落ちる。
自作の例文
この節の例文はすべて書き下ろし。既存の曲から引いたものではない。
-
I can't help laughing when he says that.
彼がそれを言うと笑わずにいられない。
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She couldn't help crying.
彼女は泣くのをこらえられなかった。
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I can't help it.
どうしようもないんだ。
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