歌訳 - utayaku
洋楽の歌詞を、意味がわかる日本語で。
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フレーズ辞典
曲をまたいで出てくる表現を1つずつ解説している。載っているのは全部で24語。辞典の索引を開く
短縮形
- 'cause / cuz becauseの頭が落ちた形で、意味はbecauseと同じく理由を表す。cuzやcozと綴られることもあり、どれも同じ音を写したものなので使い分けの決まりは無い。
- ain't am not / is not / are not / has not / have notのどれもが、この一語に置き換わる。標準英語では非標準とされるが、歌詞と話し言葉では普通に出る。何の代わりに立っているかは、うしろの形から逆算して読む。
- coulda / woulda / shoulda could have / would have / should haveをそれぞれひと息で言ったときの形。3つとも過去にありえたが実際には起きなかったことを言う形で、haveの部分が弱く発音されることから生まれた。
- gimme give meをひと息で言ったときの形。命令形なので相手に何かを求める場面で使い、そのぶん直接的に響く。目上の相手や初対面の人に向けると、ぶしつけに聞こえることがある。
- gonna going toをひと息で言ったときの形で、これから起きることを表す。同じgoing toでも「〜しに行く」の意味のときはこの形にならないので、うしろが動詞の原形かどうかで見分けられる。
- gotta have got toをひと息で言ったときの形で、しなければならないという意味を表す。前のhaveが丸ごと落ちてgottaだけが残ることが多く、落ちても意味は変わらない。
- kinda kind ofをひと息で言ったときの形で、断定を弱めてぼかすはたらきをする。種類を意味する本来のkind ofとは使い方が別で、うしろに名詞が来ているか、形容詞や動詞が来ているかで見分けられる。
- outta out ofをひと息で言ったときの形。場所から外へ出ることのほか、持っていたものが尽きたことも表す。どちらの意味かは、うしろに来る語が場所かどうかで決まる。
- wanna want toをひと息で言ったときの形。意味はwant toと同じで、くだけた場面か歌詞でだけ使う。三人称単数のwants toはこの形にならないので、主語を見れば書き分けの正誤が分かる。
定型表現
- fall for 恋に落ちるという意味と、嘘や仕掛けにまんまと引っかかるという意味の両方がある。同じ形で正反対の感情を表すので、うしろに来るのが人か、話や手口かで見分ける。
- for good 永久に、これきりで、という意味。goodに「よい」の意味は残っておらず、その行為が二度と巻き戻らないことだけを表す。別れや閉店のように、戻れる可能性が消えた出来事に添えて使う。
- get over つらい出来事から立ち直ること。とくに失恋や病気について使う。乗り越えるという訳が当てはまるが、努力して克服するというより、時間が経って平気になるという含みが強い。
- hold on 待つという意味と、持ちこたえるという意味の両方を持つ。電話や会話では待ってという合図になり、苦しい状況の話では耐え抜くという意味になる。どちらかは前後の文脈で決まる。
- let it go こだわるのをやめて手放すこと。物から手を放すという文字どおりの意味から、怒りや過去の出来事を引きずらないという意味まで幅がある。人に向けて言うと、励ましにも話を打ち切る拒絶にもなる。
- out of my mind 正気を失っているという意味と、あることが頭から離れないという意味の両方で使われる。どちらになるかはcan't get ~ out of my mindの形に入っているかで決まり、その形のときだけ意味がほぼ裏返る。
スラング
文法
- can't help -ing どうしてもそうしてしまう、こらえられない、という形。ここでのhelpは助けるではなく避けるという意味で、そのためうしろには必ず -ingが来る。自分の意志ではどうにもならないことを言うときに使う。
- I wish + 仮定法 I wishのうしろの動詞を、時間をひとつ過去へずらして置く形。ずらした分だけ、そうなっていない現実との距離を表す。願いというより、現実がそうでないことの表明に近く、hopeとは指しているものが違う。
- if only if節だけを言って、その結果にあたる文を言わずに終える形。言わない部分に何が入るかは聞き手に任され、そのぶん感情が強く出る。条件を述べているのではなく、そうなっていないことを嘆いている。
- used to 昔はそうしていた、あるいは昔はそうだった、と言う形。過去のことを言うと同時に、今はそうでないことまで同じ一語で伝える。似た綴りのbe used toは意味がまったく別で、うしろに来る形で見分ける。
- 主語の省略 文の先頭にある主語や助動詞が落ちて、途中から始まっているように見える形。話し言葉と歌詞ではごく普通に起きる。落ちたものは決まっているので、残った形から逆算すれば元の文に戻せる。
- 二重否定 一つの文に否定の語が二つ以上入る形。標準英語では打ち消し合うと説明されるが、歌詞や方言では否定をさらに強める形として定着している。どちらの読み方をすべきかは、その文を書いた人の英語で決まる。
- 反語のshould shouldで始まる問いかけのうち、答えを求めていないもの。形は疑問文だが、話し手はすでに答えを決めていて、聞き手にもその答えを共有させるために問いの形を借りている。素直に「〜すべきか」と訳すと説教くさくなる。