Don't Let Me Down / The Chainsmokersの歌詞和訳と意味
2016年に出たThe Chainsmokersの曲で、歌はDaya。グラミー賞のBest Dance Recordingを取っている。題名のlet me downは「がっかりさせる」だが、日本語にすると期待の重さが落ちるので、訳では強さの置き方が難所になる。
| アーティスト | The Chainsmokers |
|---|---|
| 発表年 | 2016 |
ここが分かると聴こえ方が変わる
Running out of time
限界だよ、耐えられない
原文が言っているのは時間のことだけである。run out ofは在庫や残量が尽きる言い方で、ここでは残り時間が無くなりつつある、という状況の説明になっている。感情を表す語は1つも入っていない。訳文には時間が出てこない。「限界」と「耐えられない」で、 その状況に置かれた側がどう感じているかを書いている。原文が状況だけを差し出して感情を聞き手に読ませるところを、訳文は先に感情を言ってしまう形になっている。この訳者は他の行でも同じ寄せ方をしていて、 描写より、その描写が指している気持ちのほうを訳文に出すという一貫した癖がある。速く伝わる代わりに、原文が残していた含みは訳文からは読み取れなくなる。
この2人組にとって初めてのアメリカのトップ5だった
2016年2月5日、Disruptor RecordsとColumbia Recordsから出た。The Chainsmokersの曲で、歌はアメリカの歌手Dayaが担当している。作詞はAndrew Taggart、Emily Warren、Scott Harris。曲そのものの記録はWikipediaの項目にある。
Billboard Hot 100で3位。The ChainsmokersにとってもDayaにとっても、初めてのアメリカのトップ5である。前作Rosesの6位に続く2作連続のトップ10入りでもあった。
オーストラリア・オーストリア・カナダ・ドイツ・ニュージーランド・スウェーデン・イギリスでもトップ10に入っている。
リミックス集が2016年4月15日、ミュージックビデオが同年4月29日に出た。グラミー賞ではBest Dance Recordingを受賞している。2026年にはアメリカで1,200万ユニットにあたるダイヤモンド認定を受けた。
題名のlet me downは、1語ずつ引くと必ず読み違える
letは「させる」、downは「下へ」。この2つを足しても、この表現の意味は出てこない。
let someone downで、「期待を裏切る」という意味になる。こういう組み合わせを句動詞と呼ぶ。歌詞には句動詞が大量に出てくるので、辞書で1語ずつ引く読み方は、歌詞ではほぼ確実に失敗する。
そのうえで、この表現を日本語にすると難しい。
- 「がっかりさせないで」…意味は当たっているが軽い。友達の約束くらいの重さになる
- 「見捨てないで」…強すぎる。原文はそこまで言っていない
- 「裏切らないで」…裏切りは意図的な行為だが、
let downは意図を問わない
let someone downが成り立つには、その相手に寄りかかっているという前提が要る。寄りかかっていない相手には期待が無いので、落胆も起きない。
この前提のぶんが、日本語では言葉に出ない。だから訳すときは、題名の1行だけでなく曲全体でその寄りかかりを描けているかを見ることになる。
訳が割れるのは、期待の重さと否定命令の口調
let downの強さ。上の節のとおり。曲全体の関係の描き方とセットで決める- 否定命令の口調。
Don't 〜は日本語だと「〜しないで」になるが、これは懇願にも命令にも聞こえる。語尾の選び方で相手との関係が変わる - 繰り返し。題名の行が何度も返ってくるので、毎回同じ訳文にするか、少しずつ変えるかを決めておく
- 歌の主体。作詞は3人、歌はDaya、名義はThe Chainsmokers。誰の言葉として訳すかは、記事の側で先に決めて書いておく
この曲は、動画を埋め込まずに出している
このサイトの曲記事は、ふつう記事の上に運営者の訳つき動画を埋め込む。このサイトの掲載方針で、全訳は動画側に置くと決めているためである。
この記事にはその埋め込みが無い。
理由は、対応する動画にYouTube側で「収益化が制限される可能性」の表示が出ていることが分かっているためである。これは権利者による申し立てが付いている可能性を示すもので、記事そのものの問題ではないが、YouTubeチャンネルへリスクを波及させないという運営の原則に照らして、所見が出るまで埋め込みを保留している。
記事の中身は事実と解説だけで作ってあり、歌詞は1行も載せていない。埋め込みの判断だけが保留されている。
語句解説
- let someone down
- 期待を裏切る、当てが外れる、という意味の句動詞。
downが入っているので落胆の向きが語の形に出ている。日本語の「がっかりさせる」は当たっているが軽く、「見捨てる」は強すぎる。相手に寄りかかっている前提があって初めて成立する言い方で、その前提のぶんが日本語では落ちやすい。 - 句動詞(phrasal verb)
- 動詞と前置詞・副詞が組んで、単語の足し算では出てこない意味になる形。
letとdownはどちらも簡単な語だが、組むと期待を裏切るになる。歌詞に頻出するので、辞書で1語ずつ引くと必ず読み違える。 - Best Dance Recording
- グラミー賞の部門のひとつ。ダンス系の1曲に与えられる。この曲が受賞している。
よくある質問
Don't Let Me Downはどんな曲ですか?
2016年2月5日に、Disruptor RecordsとColumbia Recordsから出たThe Chainsmokersの曲です。歌はアメリカの歌手Dayaが担当しています。作詞はAndrew Taggart、Emily Warren、Scott Harrisです。
チャートではどうでしたか?
Billboard Hot 100で3位です。The ChainsmokersにとってもDayaにとっても初めてのアメリカのトップ5でした。オーストラリア・オーストリア・カナダ・ドイツ・ニュージーランド・スウェーデン・イギリスでもトップ10に入っています。
賞は取りましたか?
グラミー賞のBest Dance Recordingを受賞しています。
題名はどういう意味ですか?
「がっかりさせないで」です。let someone downは期待を裏切るという意味の句動詞で、相手に寄りかかっている前提があって成立します。日本語にすると、その寄りかかりのぶんが落ちやすい言い方です。