反語のshouldの意味と使い方
shouldで始まる問いかけのうち、答えを求めていないもの。形は疑問文だが、話し手はすでに答えを決めていて、聞き手にもその答えを共有させるために問いの形を借りている。素直に「〜すべきか」と訳すと説教くさくなる。
どういう表現か
Shouldで始まる疑問文には、本当に相談している形と、答えが決まっている形の二つがある。同じ語順なのに役割が違う。
- 相談:
Should we call a doctor?(呼ぶべきか、意見を聞いている) - 反語:
Should a promise mean nothing at all?(意味があるに決まっている、と言っている)
後者は、聞き手に判断を委ねていない。「まさかそんなことはないよな」を、問いの形で言っているだけである。日本語の「〜していいものか」「〜するというのか」に近い。
どちらなのかを見分ける
文法では区別がつかないので、周りを見る。
| 手がかり | 相談 | 反語 |
|---|---|---|
| 答えが返ってくるか | 返ってくる | 返ってこない |
| 話し手の立場 | 迷っている | もう決まっている |
| 続く文 | 選択肢が並ぶ | 同じ主張が言い換えで続く |
歌詞では圧倒的に反語が多い。曲は聞き手と会話をしないので、問いを投げても答えが返ってこない。返ってこない前提の問いは、その時点で主張である。
訳すときに気をつけること
反語を「〜すべきだろうか」と直訳すると、話し手が迷っているように読めてしまう。迷っていないのが反語なので、言いたいことが裏返る。
日本語では、次のような形に寄せると近くなる。
- 「〜するというのか」
- 「〜していいものか」
- 「まさか〜ではないだろう」
疑問符を残すかどうかは、文の勢いで決めてよい。問いの形そのものより、答えが決まっていることのほうが情報として重い。
古い英語ではもっと多い
18世紀ごろまでの詩や歌では、この形が今よりずっとよく使われた。主語と助動詞を入れ替えた問いかけは、当時の書き言葉では格調のある言い回しで、呼びかけの決まり文句としてそのまま定着したものもある。
古い曲を読むときは、Shouldで始まる行を見たらまず反語を疑い、そのうえで相談の可能性を検討すると、意味を取り違えにくい。
自作の例文
この節の例文はすべて書き下ろし。既存の曲から引いたものではない。
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Should a promise mean nothing at all?
約束など何の意味もないというのか。
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Should I stay quiet about this?
これを黙って見ていろというのか。
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Should we call a doctor?
医者を呼んだほうがいいかな。
この表現が出てくる曲
- Auld Lang Syne — Robert Burns