for goodの意味と使い方

定型表現

永久に、これきりで、という意味。goodに「よい」の意味は残っておらず、その行為が二度と巻き戻らないことだけを表す。別れや閉店のように、戻れる可能性が消えた出来事に添えて使う。

どういう表現か

goodが入っているのに、よい悪いの話をしていない。ここでのgoodは古い言い方の名残で、意味は「最終的に」「決定的に」に近い。いま生きているのは、「もう戻らない」という一点だけである。

だからfor goodは、出来事そのものよりその後の見通しを語っている。She left.は起きたことだけを言うが、She left for good.帰ってくる可能性まで閉じている

「一時的に」との対比で覚える

この表現は、対になる言い方と並べるといちばん早い。

添える語含み
for nowいまのところ(また変わる)
for a whileしばらく(戻る前提)
for goodこれきり(戻らない)

同じ出来事でも、どれを添えるかで話し手の見立てが変わる。事実は動いていない。動いているのは「もう終わりだと思っているか」だけである。

使えない場所がある

まだ起きていないことを中立に述べるときには向かない。for goodは終わりを宣言する語なので、予定を淡々と伝える文に置くと、決意表明や捨て台詞のように響く。

もうひとつ、for the good of ~は別の表現である。

  • He left for good.… 彼は戻らないつもりで出ていった
  • He left for the good of the band.… バンドのためを思って抜けた

theが入るかどうかで意味が入れ替わるので、冠詞を飛ばさずに読む。

書いてよい場面

くだけた表現ではないので、会話でも文章でも普通に使える。歌詞に多いのは、別れを「今回は本物だ」と言い切るのに一語で足りるからである。

日本語にするときは「永久に」より、「〜きり」「今度こそ」「二度と」のほうが収まることが多い。「永久に」は硬すぎて、話し手の感情が抜け落ちる。

自作の例文

この節の例文はすべて書き下ろし。既存の曲から引いたものではない。

  • She left for good this time.

    今度こそ彼女は出ていったきりだ。

  • The shop closed for good last winter.

    あの店は去年の冬に閉めたきり、もう開かない。

  • I'm quitting for good.

    きっぱりやめる。

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