get overの意味と使い方

定型表現

つらい出来事から立ち直ること。とくに失恋や病気について使う。乗り越えるという訳が当てはまるが、努力して克服するというより、時間が経って平気になるという含みが強い。

どういう表現か

overは「越えて向こう側へ」。目の前にあった山を越えて、もう後ろになった状態を指す。そこから「立ち直る」の意味が出ている。

よく使われる相手は決まっている。

  • 失恋 …get over him
  • 病気 …get over a cold
  • 落ち込むような出来事 …get over the shock

「克服」と訳すとずれる

日本語の「克服」には努力して打ち勝つという響きがあるが、get overにその含みは薄い。どちらかといえば時間が経って平気になったに近い。

英語近い日本語
get over立ち直る。吹っ切れる
overcome克服する。努力して打ち勝つ

この差は訳文の印象を大きく変える。I got over it.を「克服した」と訳すと、本人が奮闘したように読めてしまう。多くの場合、言っているのは「もう平気だ」だけである。

can't get overは別の使い方

否定形になると、立ち直る話ではなくなることがある。

I can't get over how good that was.は、「立ち直れない」ではなく、「驚きが冷めない」という意味である。良いことにも悪いことにも使える。

見分け方は、うしろにhowthatの節が続いているか。続いていれば、驚きが続いているほうである。

let it goとの違い

似ているが、時間の向きが逆である。

  • let it go… これから手放す。これからの選択
  • get over… もう後ろになった。結果の報告

だからlet it goは命令形で人に勧められるが、get over itを人に言うと、「いつまで引きずっているんだ」と責任を突き返す形になり、かなり冷たく響く。使う相手を選ぶ。

自作の例文

この節の例文はすべて書き下ろし。既存の曲から引いたものではない。

  • It took me a year to get over it.

    立ち直るのに1年かかった。

  • She is finally getting over the flu.

    彼女はやっと風邪が抜けてきた。

  • I can't get over how good that was.

    あれが本当に良くて、まだ驚きが冷めない。

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